従来は省エネを前提に「プレート方式」や「多管方式」等の排熱回収器が使用されてきました。いずれの方式も汚れの大きい糊抜精練、染色工程などの排水では、伝熱面への汚れ及び目詰まりがひどく、せっかくの設備が充分な効果を発揮していないケースも多いのが実状です。また60℃以下の中低温排水は、設備効果の面から排熱回収が難しくそのまま捨てられるケースもあります。
殆どの染色工場ではうろこ状のプレートを用いて熱交換を行う「プレート式排熱回収装置」が主流といわれておりますが、プレート式ではうろこ状の微細な透き間に排水を通す形になり、排水中に多量の繊維のくずなどがプレートを目詰まりさせてしまい、熱交換効率が極端に落ちる弱点があります。
この為、短繊維の染工場でこのプレート式排熱回収装置を使用する場合、頻繁に設備の稼動を止め、プレートの清掃などメンテナンスを行う必要性があります。
これに対してS字管式排熱回収装置「エコメリット®」は、S字型伝熱管の中に清水を通し、その周囲に高・冷温の排水を通すことで熱交換を行う形です。これだけで確実に排熱回収が可能です。また、排水を通す部分の機構がオープンなため、繊維の屑が溜まったとしても、専用ブラシで運転中に簡単に除去できることなどでメンテナンス性に優れております。
S字管式排熱回収装置「エコメリット®」は、これまでの問題点をほぼ完全に解消したものと考えます。 |
【A社】工業用水入温度:7℃ 工業用水出温度:45℃ 排水入温度:55℃ 排水出温度:40℃ 工水量5.8㎥/h 回収熱量:922.6MJ/h(220,400Kcal/h) 回収金額:3,180,000円/年
【B社】工業用水入温度:13℃ 工業用水出温度:35℃ 排水入温度:50℃ 排水出温度:25℃ 工水量5.0㎥/h 回収熱量:460.4MJ/h(110,000Kcal/h) 回収金額:1,590,000円/年
※回収金額は年間稼働時間を2,520時間とし、ガス単価を50円/㎥(2019年某都市ガス調査時の単価)として計算した結果です。 |
年間稼働率を10時間×21日操業×12か月で計算し、1t/h(1,000L)の温排水から1℃回収するだけで、年間で下記の通りの省エネが見込めます。
ガス(13A単価50円/㎥)の場合で、約14,431円
(1,000L×1℃÷9,700キロカロリー×0.9(貫流ボイラー熱効率))×50円×2,520h=14,431円
例えば5t/hを36℃回収出来れば、5×36×14,431=2,597,580円の省エネが計れます
A重油(単価74円/L)の場合で、約25,166円
(1,000L×1℃÷10,770キロカロリー×0.86比重×0.8(貫流ボイラー熱効率))×74円×2,520h=25,166円
例えば5t/hを36℃回収出来れば、5×36×25,166=4,529,880円の省エネが計れます |